国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment: IASCT)は、21世紀の人類が希求する「健康で質の高い生活」の実現を目的に掲げ、医学、生物学、物理学、化学、工学ほかの英知を結集して、癌治療成績を向上させることを目指しています。なかでも普及可能な新しい癌治療増感技術の確立ならびにその基礎となる癌治療増感研究、具体的には、放射線治療・化学療法の増感、防護、効果修飾などに関する薬剤や治療手技の研究や、免疫療法や温熱療法等の幅広い分野の研究を推進しています。

本研究協会は、その前身である日本放射線増感研究協会(1982年6月設立)の理念「放射線増感剤の開発および放射線増感治療法とその応用に関する基礎および臨床的研究」を承継しつつ、1994年6月に今日の名称に改めて新たな活動を開始しました。研究集会としては、定例的に「癌治療増感研究会」(毎年5~7月)、「癌治療増感研究シンポジウムin奈良」(毎年2月)を開催しています。これらの研究会やシンポジウムは、本研究協会の会員だけでなく、会員外にも開かれた、広義の癌治療増感研究に従事する多数の臨床研究者と基礎研究者の融合フォーラムとして機能して参りました。また、本研究協会会員に対しては、国際癌治療増感研究協会及び癌治療増感に関する研究で多大な貢献があった研究者に「菅原賞」、癌治療増感に関する研究成果が顕著な研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会賞」、癌治療増感に関する萌芽的研究を展開している研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会研究奨励賞」、癌治療増感に関する萌芽的研究を実施中の外国人研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会国際研究奨励賞」の国際癌治療増感研究協会各賞を選考・授与し、国際的な視野に立った癌治療増感研究活動を支援しています。

今後とも、国内外における癌治療増感研究の進展に本研究協会が大きく貢献すべく尽力して参る所存ですので、会員各位のご支援とご協力をお願い申し上げます。

平成24年5月1日
国際癌治療増感研究協会 会長 芝本雄太
名古屋市立大学大学院医学研究科 放射線医学分野

国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment: IASCT)は、21世紀の人類が希求する「健康で質の高い生活」の実現を目的に掲げ、医学、生物学、物理学、化学、工学ほかの集学を通じて広く普及可能な新しい癌治療増感技術の確立、ならびにその基礎となる癌治療増感研究の推進を目指しています。

本研究協会は、その前身である日本放射線増感研究協会(1982年6月設立)の理念「放射線増感剤の開発および放射線増感治療法とその応用に関する基礎および臨床的研究」を承継しつつ、1994年6月に今日の名称に改めて新たな活動を開始して以来、「癌治療増感研究会」(毎年5~7月)、「癌治療増感研究シンポジウムin奈良」(毎年2月)を定例開催しています。これらの研究会やシンポジウムは、本研究協会の会員だけでなく、会員外にも開かれた、広義の癌治療増感研究に従事する多数の臨床研究者と基礎研究者の融合フォーラムとして機能して参りました。また、本研究協会会員に対しては、国際癌治療増感研究協会及び癌治療増感に関する研究で多大な貢献があった研究者に「菅原賞」、癌治療増感に関する研究成果が顕著な研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会賞」、癌治療増感に関する萌芽的研究を展開している研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会研究奨励賞」、癌治療増感に関する萌芽的研究を実施中の外国人研究者・研究代表者に「国際癌治療増感研究協会国際研究奨励賞」の国際癌治療増感研究協会各賞を選考・授与し、国際的な視野に立った癌治療増感研究活動を支援しています。

今後とも、国内外における癌治療増感研究の進展に本研究協会が大きく貢献すべく尽力して参る所存ですので、会員各位のご支援とご協力をお願い申し上げます。

平成22年11月1日
国際癌治療増感研究協会 会長 西本 清一
京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻


この度奈良県立医科大学生物学教室の大西武雄教授の後任として国際癌治療増感研究協会会長に就任させていただきました。

日本放射線増感研究協会は協会名のように京都大学基礎放射線科の名誉教授を中心に放射線増感剤の開発および放射線増感治療に関する基礎的ならびに臨床研究の国際的普及を目的に1982年9月に設立され、ロシア、中国、インドなどのアジア諸国に増感剤を提供し、国際共同研究事業を行うとともに、学術情報の提供を行ってきました。鍵谷先生のご努力もあり人事交流を含め発展を遂げてきました。しかし、がん治療の多様化に伴い放射線による増感にのみ焦点を当てていたのでは、これ以上の発展は望めないとの判断から、癌の治療成績向上に関するすべての分野の研究をタッゲトにすることで、放射線領域の研究者はもちろんのこと、放射線領域以外の多くの研究員を会員として取り込み、さらなる発展を期して、前身である日本放射線増感研究協会から1994年6月に国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment : IASCT) と名称を変更して設立されました。

設立後、毎年2月には癌治療増感研究シンポジウムを奈良市で、また5月には癌治療増感研究会を開催してきました。シンポジウムはすでに8回、研究会は12回を数えています。また、優秀な研究者を顕彰ならびに助成する目的で菅原賞、協会賞、研究奨励賞、国際研究奨励賞などを設けております。

私が会長に選任された理由は、更なる発展を期待されてのことは言うまでもありませんが、特に放射線領域以外の領域の多くの研究者の研究会への入会と、関西を中心とした会の印象を払拭する意味でも、関東以北の多くの研究者に参画していただくことを期待されてのことと自覚しております。

今後はシンポジウムや研究会を充実させることはもとよりのこと、ホームページを充実させて、国内外にがん治療成績向上のための研究成果を多く発信して、本会の発展に微力ながら努めて参りたいと考えております。会員の皆様方のご協力をお願い申し上げます。

平成18年6月1日

国際癌治療増感研究協会 会長 三橋 紀夫

〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1
東京女子医科大学放射線腫瘍学講座
TEL:03-3353-8111 (内線 37408) FAX: 03-5269-7472

国際癌治療増感研究協会 事務局

〒606-8225 京都市左京区田中門前町103-5
パストゥールビル5F イメリタスクラブ内
TEL: 075-707-2220; FAX: 075-707-2221
ホームページ, http://www.iasct.jp/

国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment : IASCT)の前身である日本放射線増感研究協会は、「放射線増感剤の開発および放射線増感治療法とその応用に関する基礎および臨床的研究」の分野における学術情報の提供を目的として1982年6月に設立され、さらに、1994年6月、21世紀の高度普及形癌治療技術確立のための増感治療研究を推進するために、名称を国際癌治療増感研究協会と改称し、国内研究会、国際学会、国際共同研究を推進すると共に、年4回の「Radiosensitization News letter」と「増感通信」を発行して先生方のご研究および臨床治療に資して参りました。

1998年より国際癌治療増感研究協会は新しい体制のもとに事業の展開を図って。その一つとして例年2月頃の2日間、奈良市において「癌治療増感戦略」に関するシンポジウムを、多くの臨床と基礎の研究者が集い活発な討議を行っており、ご好評を受けてまいりました。癌治療には集学的治療が叫ばれて久しいですが、それには専門以外の分野をも知ることが大切だと思われます。例えば、近年の分子生物学の進歩に伴い、放射線抵抗性の原因が癌関連遺伝子に関係があることがわかってまいりました。放射線治療医は、治療の初期に放射線抵抗性か否かをよく知って、抵抗性の場合他の治療手段も考慮する必要があると考えます。また、癌予防や発癌のメカニズムなどの知見を癌治療に生かすことも大切であると考えます。さらには、Translational Researchがこれらを広く理解することも治療の幅を広げることにも役立つものと考えます。昨今放射線・温熱・化学・免疫治療をはじめとする癌治療においては、より一層の科学的論拠が求められております。今後はより治療効率の高い癌治療をめざして、さらなる飛躍を切に願っております。皆々様の本研究協会への積極的なご参加とご意見をお寄せ頂きたく願っております。

平成15年10月24日

国際癌治療増感研究協会 会長 大西 武雄

〒634-8521 奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学生物学教室
TEL: 0744-22-3051(内線2264); FAX: 0744-25-3345
ホームページ, http://www.naramed-u.ac.jp/~biol/

国際癌治療増感研究協会 事務局

〒606-8225 京都市左京区田中門前町103-5
パストゥールビル5F イメリタスクラブ内
TEL: 075-707-2220; FAX: 075-707-2221
ホームページ, http://www.iasct.jp/

途上国のための国際交流と共同研究の推進:事始めの頃

-「増感通信 94-3」(1994 年 10 月 31 日発行)巻頭言より-

名誉会長 菅原 努

私達が現在行っている途上国の癌治療を向上させる為の国際交流と共同研究が具体化したのは 1981 年のことでした。当時国際原子力機関(以下 IAEA)の科学秘書をしていた岩崎民子氏(放射線医学総合研究所生物研究部長を経て現在(財)放射線影響協会研究参与)から私に連絡があり、IAEA として従来の Co-60γ線に何かプラスすることにより放射線治療の成績を向上させる研究をプロジェクトとして検討しているが、と意見を求められた。かねて“貧乏人のサイクロトロン”と称して高価なサイクロトロンのような加速器を使わずに、化学的、物理的に放射線作用を修飾することで、サイクロトロンで作られる特殊な放射線に負けない方法を開発することを主張していた私としては双手を上げて賛成した。

そこで途上国の人々は IAEA が、発展国の人々は京大放射線生物研究センターが夫々招待するという形で 1981 年 8 月に京都で「発展途上国における放射線治療にとって有望な方法」というセミナーを開催してこの問題の可能性を検討した。この検討の中で途上国の臨床研究を推進するためには具体的に何をすべきかが議論された。機器の提供、研修生の受け入れなどが論じられたが、これに対しては、現実には機器は十分活用されず研修生はそのまま研究者の国外流出につながる、など批判的な意見も少なくなかった。これに対して私は“途上国に先ず必要なものは情報である。もし発展国の科学者の協力が得られるならば私がまとめ役になって、その情報を世界中の途上国に配布しようではないか”と提案した。結局この提案だけが具体策として認められ翌 1982 年 1 月から Radiosensitization Newsletter として季刊で発行を開始し、本年 1994 年から Sensitization Newsletter として名称を変更して続いている。

この Newsletter は初めは科学者グループということで発行を始めたが、やはり発行の母体として何か正式の組織を作るべきだということで、82 年 6 月に日本放射線増感研究協会という組織を作り、私が会長ということになった。折角このような組織を作るのなら単に Newsletter の発行だけでなく、研究会の開催や研究交流もその活動に含まれるべきであるということで、そのような会則になった。それが次第に発展し、二国間セミナーや国際共同研究に発展して来たのである。

Radiosensitization Newsletter は 1982 年から 93 年の Vol. 12 まで年 4 回、1 回も休まずに発行を続けることが出来た。そして本 94 年に Sensitization Newsletter と名称を変えて新しい Vol. 1 が発足した。これを始めたときにはとてもこんなに続くとは考えていなかった。それでも途上国からの絶えない要望に励まされて遂ここまで来た。今年からは新しい IAEA のプロジェクトも始まるようで、心機一転、この Newsletter が新しいプロジェクトの側面的な支えとして途上国の研究発展に貢献することを願って止まない。

Japan Radiosensitization Research Association

昭和57年4月~平成6年6月

<設立趣意> 昭和57年4月

癌は今や我国の死因の第一位を占めており、その治療成績の向上は国民の誰もがのぞむところであります。このような情勢に対し、放射線治療の向上の努力の結果生まれつつある放射線増感剤、防護剤のような化学的修飾法が実験的にかなりの成果をおさめつつあります。しかし、臨床的に活用して癌治療成績を飛躍的に向上させるにはなお一層の組織的な研究開発が必要であります。

さらに、このように放射線感受性の修飾因子として開発された薬剤や、ハイパーサーミアが放射線のような局所療法だけでなく、全身的に用いられる化学療法に対しても有効な修飾因子となり得ることが基礎研究の結果明らかになって来ました。このことは癌の最終的な治療法へさらに一歩近づきうるものと注目されております。なお、放射線治療改善のもう一つの柱として加速器による粒子線治療があり、それなりの成果をあげておりますが、これには巨大な装置と莫大な経費を要するので、放射線治療の到達点を見極めるための治療研究としての意義は極めて高いのでありますが、癌のように国民的な規模での治療法が必要なものでは必ずしもそれのみで十分ではありません。その点化学的あるいは物理的修飾方法によるものは極めて一般的であり、普及型治療法として理想的なものといえましょう。このことは昨年(昭和56年)京都で開催された国際原子力機関セミナー“発展途上国で有望と考えられる放射線治療法”においても確認され、研究推進の方向について意見の一致を見たところであります。

そこで学会、医療機関、産業界の協力のもとに、組織的、協力的研究体制を作ってこの新しい分野の積極的発展を推し進め、また広く国際的にも協力と情報交換を行ない、我が国のみならず世界の、殊に発展途上国の癌治療の向上に貢献するために、この研究協会の設立を計画した次第であります。現在でもこの分野では文部省、厚生省などの癌関係の研究班や、産学協同の形での研究グループなど多くのものが組織され、研究者層も次第に厚くなりつつあります。しかし残念乍らこれらは夫々が個人的な関係で結ばれているだけで、有機的な連絡に欠けるうらみがあります。そこで、こらからの研究開発の進展を考えるならば、どうしても中心的な推進組織を作り、それが学際的研究を推し進めて行く体制が必要であり、本協会がその推進役として働きうることを念願するものであります。
従って、この研究協会は単に学術交流の場にとどまらず、放射線増感に関する研究開発とその受託、あるいは助成、関連研究班相互の連絡、国際的 news letter の発行などを行う機関にしたいと存じております。

関係の皆様にはこの主旨に御賛同の上、ご参加下さいますようご案内申し上げます。

<発起人>

菅 原 努(国立京都病院) 坂 本 澄 彦(東北大放基)
鍵 谷 勤(京大工) 斉 藤 正 男(東大医用電子研究所)
阿 部 光 幸(京大医) 田 中 敬 正(関西医大放)
安 徳 重 敏(九大放基) 寺 島 東洋三(放医研)
青 山 喬(滋賀医大放基) 金 子 一 郎(理研)
稲 山 誠 一(慶應大薬化研) 波多野 博 行(京大理)
小野山 靖 人(大阪市大放) 藤 田 栄 一(京大化研)
岡 田 重 文(東大放基) 母 里 知 之(東海大放)
加 納 永 一(福井医大) (順不同)