国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment : IASCT)の前身である日本放射線増感研究協会は、「放射線増感剤の開発および放射線増感治療法とその応用に関する基礎および臨床的研究」の分野における学術情報の提供を目的として1982年6月に設立され、さらに、1994年6月、21世紀の高度普及形癌治療技術確立のための増感治療研究を推進するために、名称を国際癌治療増感研究協会と改称し、国内研究会、国際学会、国際共同研究を推進すると共に、年4回の「Radiosensitization News letter」と「増感通信」を発行して先生方のご研究および臨床治療に資して参りました。

1998年より国際癌治療増感研究協会は新しい体制のもとに事業の展開を図って。その一つとして例年2月頃の2日間、奈良市において「癌治療増感戦略」に関するシンポジウムを、多くの臨床と基礎の研究者が集い活発な討議を行っており、ご好評を受けてまいりました。癌治療には集学的治療が叫ばれて久しいですが、それには専門以外の分野をも知ることが大切だと思われます。例えば、近年の分子生物学の進歩に伴い、放射線抵抗性の原因が癌関連遺伝子に関係があることがわかってまいりました。放射線治療医は、治療の初期に放射線抵抗性か否かをよく知って、抵抗性の場合他の治療手段も考慮する必要があると考えます。また、癌予防や発癌のメカニズムなどの知見を癌治療に生かすことも大切であると考えます。さらには、Translational Researchがこれらを広く理解することも治療の幅を広げることにも役立つものと考えます。昨今放射線・温熱・化学・免疫治療をはじめとする癌治療においては、より一層の科学的論拠が求められております。今後はより治療効率の高い癌治療をめざして、さらなる飛躍を切に願っております。皆々様の本研究協会への積極的なご参加とご意見をお寄せ頂きたく願っております。

平成15年10月24日

国際癌治療増感研究協会 会長 大西 武雄

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国際癌治療増感研究協会 事務局

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