この度奈良県立医科大学生物学教室の大西武雄教授の後任として国際癌治療増感研究協会会長に就任させていただきました。

日本放射線増感研究協会は協会名のように京都大学基礎放射線科の名誉教授を中心に放射線増感剤の開発および放射線増感治療に関する基礎的ならびに臨床研究の国際的普及を目的に1982年9月に設立され、ロシア、中国、インドなどのアジア諸国に増感剤を提供し、国際共同研究事業を行うとともに、学術情報の提供を行ってきました。鍵谷先生のご努力もあり人事交流を含め発展を遂げてきました。しかし、がん治療の多様化に伴い放射線による増感にのみ焦点を当てていたのでは、これ以上の発展は望めないとの判断から、癌の治療成績向上に関するすべての分野の研究をタッゲトにすることで、放射線領域の研究者はもちろんのこと、放射線領域以外の多くの研究員を会員として取り込み、さらなる発展を期して、前身である日本放射線増感研究協会から1994年6月に国際癌治療増感研究協会(International Association for the Sensitization of Cancer Treatment : IASCT) と名称を変更して設立されました。

設立後、毎年2月には癌治療増感研究シンポジウムを奈良市で、また5月には癌治療増感研究会を開催してきました。シンポジウムはすでに8回、研究会は12回を数えています。また、優秀な研究者を顕彰ならびに助成する目的で菅原賞、協会賞、研究奨励賞、国際研究奨励賞などを設けております。

私が会長に選任された理由は、更なる発展を期待されてのことは言うまでもありませんが、特に放射線領域以外の領域の多くの研究者の研究会への入会と、関西を中心とした会の印象を払拭する意味でも、関東以北の多くの研究者に参画していただくことを期待されてのことと自覚しております。

今後はシンポジウムや研究会を充実させることはもとよりのこと、ホームページを充実させて、国内外にがん治療成績向上のための研究成果を多く発信して、本会の発展に微力ながら努めて参りたいと考えております。会員の皆様方のご協力をお願い申し上げます。

平成18年6月1日

国際癌治療増感研究協会 会長 三橋 紀夫

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東京女子医科大学放射線腫瘍学講座
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国際癌治療増感研究協会 事務局

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